1985年基礎科学部門数理科学(純粋数学を含む)
クロード・エルウッド・シャノン  写真

クロード・エルウッド・シャノン
(Claude Elwood Shannon)

  • アメリカ / 1916年-2001年
  • 情報科学者
  • マサチューセッツ工科大学 教授

情報技術の数学的基礎となる情報理論の創成

プロフィール

略歴

1936年
ミシガン大学 卒業
1940年
プリンストン大学 ナショナル・リサーチ研究員
1941年
ベル研究所 数学研究員
1954年
1956年
マサチューセッツ工科大学電気コミュニケーション学部客員教授
1957年
マサチューセッツ工科大学コミュニケーション科学部および数学部教授
1958年
マサチューセッツ工科大学科学部ドナー教授
1961年
理学博士(ミシガン大学)
1962年
理学博士(プリンストン大学)

主な受賞と栄誉

1940年
アメリカE.E.協会賞
1949年
モーリス・リーブマン記念賞
1955年
フランクリン協会スチュアート・バランタイン賞
1956年
リサーチ・コーポレーション賞

主な論文・著書

1948年

A Mathematical Theory of Communication(ウォーレン・ウィーバーとの共著)

1949年

Communication in the Presence of Noise

1956年

The Zero Error Capacity of Noisy Channels

1956年

Automata Studies(ジョン・マッカーシーとの共著)

1957年

Certain Results in Coding Theory for Noisy Channels

1957年

Geometrische Deutung einige Ergebnisse bei der Berechnung der Kanalkapazitat

1959年

Probability of Error for Optional Codes in a Gaussian Channel

1960年

Coding Theorems for a Discrete Source with a Fidelity criterion

1961年

Two-way Communication Channels

贈賞理由

情報技術の数学的基礎となる情報理論の創成

今世紀においてもっとも著しい発展を遂げ、人間生活の広範囲にわたって重大な影響をおよぼした科学技術のひとつは通信技術である。情報と通信に関する諸課題は、今世紀を超えて将来ますます重大なものとなることが予想されている。

今日にいたる通信技術の発展に、数理科学的基盤を与えたのはクロード・エルウッド・シャノン教授である。1948年に発表されたシャノン教授の論文“A mathematical theory of communication”によって、情報理論と呼ばれる新しい数学が誕生した。それ以前は情報の諸問題を数理科学的に取り扱うことはほとんど不可能とされていたが、シャノン教授の理論によって情報伝達の科学性が浮彫りにされ、数学的取り扱いに対する希望が急速に拡大し、多数の工学者や数学者の関心を集め、情報科学の著しい発展が今日まで続いている。

シャノン教授は、まったく新しい数学の分野を創設し、研究開発の基本方針を明示しただけでなく、その分野においてもっとも重要な概念と技法を発見し、さらに現在の発展段階からみてももっとも基本的とみなせる定理を証明した。このような画期的な業績を果たした数理学者は、科学史を古く遡っても例が少ないといえる。

シャノン教授は、情報伝達の数学的構造を、次の五つの側面から分析した。
1.情報を発信する情報源の特性。通報の集合、各通報を構成する文字の集合、各通報の発生確率と発信出力など。
2.通報を信号として発送するときの符号化に関する諸問題。
3.信号を伝送する通信路の特性と通信を妨害する雑音の問題。
4.符号化された信号を通報に復元する問題。
5.情報を受信する側の特性。

シャノン教授は、このような情報伝達の基本模型をもとに、情報の量と信頼性、情報の変換と同値性などを支配する基本法則を定式化した。哲学的理論に留まらず、工学的直感にたよる手段でなく、数理科学の真髄に徹して、数量的定義づけと数理的解析に基づいた数学理論を構築した。

情報理論において、シャノン教授が定式化した概念、とくに情報エントロピーの概念は基本的であり、 シャノン教授の符号化処理は今日にいたるまでもっとも重要な成果とみなされている。
シャノン教授の情報に関する理論と思想は、その応用が通信工学においてめざましいものであったことはいうまでもないが、さらにコンピュータ科学、言語学、生物学、心理学など広範な数理科学に多大な影響を与えてきた。

記念講演

記念講演要旨

通信・情報処理の進展と私の趣味

【関連情報】
記念講演録(PDF)
ワークショップ

ワークショップ

フォーラム 「情報とシステムの新しい理論的展開」

Forum:"New Development in Information and System Theory"

日時
1985年11月12日(火)9:30~17:00
場所
国立京都国際会館

プログラム

司会 坂井利之 先端技術部門専門委員会委員 京都大学工学部教授
9:30
挨拶 稲盛和夫 稲盛財団理事長
9:33
開会の辞 広中平祐 基礎科学部門審査委員会委員長 京都大学数理解析研究所教授
9:50
橋本猛 大阪大学基礎工学部助手
10:30
美濃導彦 京都大学工学部助手
11:10
甘利俊一 東京大学工学部教授
11:50
コメント クロード・E・シャノン 基礎科学部門受賞者
12:00
昼食
司会 須田信英 大阪大学基礎工学部教授
13:00
パネル討論 ルドルフ・E・カルマン 先端技術部門受賞者
14:00
講演 松尾強 名古屋大学工学部講師
14:40
講演 児玉慎三 大阪大学工学部教授
15:20
休憩
15:35
講演 古田勝久 東京工業大学工学部教授
16:15
講演 木村英紀 大阪大学基礎工学部助教授
16:55
閉会の辞 桜井良文 先端技術部門審査委員会副委員長 大阪大学名誉教授
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