【特集】11月に京都で記念講演会開催!
ローリー・アンダーソン氏と受賞業績をもっと知りたい方へ関連コンテンツをご紹介

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第41回(2026)京都賞 思想・芸術部門(音楽)の受賞者には、マルチメディア・アーティストのローリー・アンダーソン氏が選ばれました。「電子メディアを駆使し、実験的でポップなサウンドと声、身体を融合した独自のアートを追求するマルチメディア・アーティスト」としての業績が評価されました。2026年11月には、一般の方を対象とした京都賞受賞者による記念講演会が京都で開催され、アンダーソン氏も登壇します。

今回は、メディア・アートを中心に数多くの展覧会やイベントを企画し、アンダーソン氏の本格的な回顧展が日本で開催された際にはキュレーターを務め、同氏の作品に詳しい畠中実氏に、「アンダーソン氏や業績について知りたい」という方へ向けて、入門として参考になる動画や書籍を紹介していただきました。

Laurie Anderson - O Superman (Official Music Video)

1981年に発表されたシングル・レコードで、最初は米国の自主レーベルよりリリースされました。曲の長さが8分以上もあり、もともとはヒットを狙うような意図はありませんでしたが、英国BBCのDJであったジョン・ピールによって紹介され、英国のヒットチャートで2位を記録、それをきっかけにメジャーのレコード会社ワーナー・ブラザーズと契約することになりました。

無機的なヴォコーダーとシンセサイザー、そして声のループという大変シンプルな構成の楽曲ながら、テクノロジーや国家権力に対する懐疑を表す歌詞とともに、当時のエレクトロニック・ミュージックとも一線を画し、ローリー・アンダーソンが音楽の世界で注目されることになった作品です。

Laurie Anderson - Language Is a Virus (Official Music Video)

ローリー・アンダーソンが、自身の1985年のライブ・パフォーマンスを記録・監督した映画『ホーム・オブ・ザ・ブレイヴ』[邦題『0&1』](1986年公開)の映像を素材にして制作されたミュージック・ビデオです。彼女が初来日を果たした1984年には、「パフォーマンス」が日本の美術界でも大きな注目を集めていました。音楽、美術、文学、演劇といったジャンルを総合し、自作の電子楽器、電子装置の数々やビデオ映像などのエレクトロニック・メディアを駆使したマルチメディア・パフォーマンスの様子が伝わります。

書籍『パフォーマンス・アート 未来派から現代まで』(ローズリー・ゴールドバーグ著 深川雅文監訳 角田かるあ/井口壽乃/香川檀/長名大地/木村理恵子/吉田侑李/青木識至/原田遠/江口正登 共訳/フィルムアート社)

『パフォーマンス・アート 未来派から現代まで』書影

1979年の刊行以来、本書は「パフォーマンス・アート」の歴史と、現在に至る展開を解説した本として、長きにわたり読み継がれてきた名著として知られています。2026年に、1982年の翻訳以来44年ぶりに増補版が新訳復刊されました。1980年代になると日本でも、「パフォーマンス・アート」が新しい表現として意識され、一種の流行のようにもなりました。その只中の1984年に、ローリー・アンダーソンは、初めて来日し公演を行い、同年に来日したヨーゼフ・ボイスとナム ジュン・パイクとともに、パフォーマンス旋風を巻き起こしました。著者のローズリー・ゴールドバーグは、その起源を20世紀のアヴァンギャルド表現の歴史に見出し、さらには、70年代のパンクとの同時代性、そしてメディアを使用した表現など、パフォーマンスとその作品の数々を体系的に位置付けています。

Laurie Anderson & Hsin-Chien Huang Interview: A Trip to the Moon(英語動画/日本語自動翻訳字幕あり)

現在、ローリー・アンダーソンの主要な表現の一つになっているバーチャル・リアリティー(VR)作品のコラボレーターである、台湾のニュー・メディア・アーティスト、ホアン・シンチェンとの、2018年に行なわれた、作品《To the Moon》についてのインタビュー映像です。2017年以来、二人が共同制作を続けてきたVR作品について、その技術がもたらす体験について、「月」というモチーフについて、その意義や意味が話されています。

Laurie Anderson: Amelia

ローリー・アンダーソンの現時点(2026年8月現在)での最新*1音楽作品です。1937年6月、女性飛行士による初の世界一周単独飛行を実現すべく飛び立ち、消息を絶ってしまった、アメリア・イアハートの最後の飛行をモチーフにして制作されたものです。イアハートのフライト・ログを元にして物語が綴られています。

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執筆者プロフィール
畠中 実(キュレーター)
1996年のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]開館準備より同館に携わり、主任学芸員、学芸課長を経て2025年に同館を退任。数多くの展覧会やイベントを企画し、2005年にアンダーソン氏の本格的な回顧展「時間の記録」が日本で開催された際にはキュレーターを務めた。メディア・アートやサウンド・アートを中心に現代アートを広く対象としたキュレーションを行うほか、美術・音楽批評など幅広く活動している。著書に『現代アート10講』(共著、武蔵野美術大学出版局、2017年)、『メディア・アート原論』(久保田晃弘氏との共編著、フィルムアート社、2018年)などがある。

第41回(2026)京都賞京都賞記念講演会

ただいま、記念講演会の参加受付中です。下記よりお申し込みください。

*1. オリジナル・アルバムとして

※本記事で紹介しているコンテンツは、京都賞の受賞業績および関連分野への理解を深めるための参考資料として、執筆者の選定に基づき掲載しています。
※紹介しているコンテンツには、受賞者の作品が含まれています。

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