第36回(2021)京都賞の受賞者が決まりました!

先端技術部門

 

アンドリュー・チーチー・ヤオ
姚期智
Andrew Chi-Chih Yao
コンピュータ科学者
清華大学 学際情報学研究院 院長
計算と通信の新たな計算理論とそれに基づく安全性の基礎理論への先駆的貢献
計算と通信の革新的な基礎理論の構築により、情報科学における新たな潮流を作り出し、暗号や 量子計算などの最先端研究にも多大な貢献を果たすとともに、セキュリティ、秘密計算やビッグデータ処理などの現代社会における実問題にまで影響を与え続けている。
受賞を受けて
この度、稲盛財団により京都賞先端技術部門の受賞者に選ばれたことを大変光栄に思います。稲盛和夫氏は人類の発展に尽力され、その目標に向かって自然科学と人文科学がともに果たすべき役割の重要性を説かれています。私は稲盛氏のお考えに心打たれる思いがいたします。稲盛財団はこの賞に相応しい業績を上げた人を顕彰しており、これまで京都賞を受賞されてきた素晴らしい方々に自分も名を連ねることは、ありがたく心が震えるような思いです。京都賞を受賞できることを大変感謝いたしますと共に、今後稲盛財団の理念の推進に一翼を担えるよう努めていきたいと思います。

基礎科学部門

 

ロバート・G・レーダー
Robert G. Roeder
生化学者・分子生物学者
ロックフェラー大学 アーノルド・アンド・メイベル・ベックマン生化学・分子生物学教授
真核生物の遺伝子転写メカニズムの原理解明
50年以上にわたる研究で、RNAポリメラーゼ群、基本転写因子群や特異因子の最初の例など、転写に関わる多くの因子、各々の機能、クロマチンでの転写制御を発見してきた。それらの成果を通じて真核生物における転写制御機構の原理を解明し、生命科学の発展に大きく寄与した。
受賞を受けて
京都賞は基礎科学、先端技術、思想・芸術という人類の発展に相互補完して寄与する分野を顕彰する賞としてよく知られています。50年以上前に大きな発見をしたことがきっかけになって、遺伝子発現の転写制御という根本的な問いに情熱を持って果敢に取り組んできた長年にわたる研究生活の末に、このたびこのような名誉ある賞をいただけることになり、身に余る光栄に存じます。この生化学研究は遺伝子発現に関する先端技術を用いた多くの最新研究の基礎となるもので、この研究に京都賞をいただけることは本当にありがたいと思います。稲盛財団、私を指導してくださった大学院・ポスドク時代の先生方、私の研究室で大いに貢献してくれた多くの学生・ポスドク諸君、そして私の科学へのあくなき情熱を支援してくれた研究機関のすべてに心から感謝の意を捧げたいと思います。

思想・芸術部門

 

ブリュノ・ラトゥール
Bruno Latour
哲学者
パリ政治学院 名誉教授
科学技術と社会構造の相互作用に着目し、「近代」の根底的見直しを図る哲学の展開
自然、人間、実験装置などを等しくアクターと見なし、科学技術をそれらのハイブリッドなネットワークの作動と記述して科学観に新風を吹き込んだ。自然と社会の二元論に基づく「近代」を見直す哲学を展開し、地球環境問題への提言を含む多面的活動は分野を超えた影響を与えてきた。
受賞を受けて
京都賞を今回私がいただけるのは、言葉にするまでもなく、とても光栄なことです。ことにフランス人で私の前にこの賞を受けたのが、私の憧れの人アリアーヌ・ムヌーシュキンでありますから。また私の著作の多くが日本語に翻訳され、知識人の方々の目に留まっていると知り大変嬉しく思っています。日本で出版されている書物の質の高さには常々感銘を受けていました。今回ひとつ残念なのは、パンデミックのために多くの友人がいる素晴らしい町、京都へ赴くことが叶わないことです。京都で友人や仲間たちに会うことができるようになれば、そしてこの度同じく京都賞を受賞する科学分野のお二人にもお会いできればと願っています。

 

行事について

 

授賞式等の行事につきましては、現段階において新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないことから本年度は中止といたしますが、記念講演会については、従来に代えて、受賞者による特別講演をオンライン配信の予定です。詳細は改めてウェブサイトにてお知らせいたしますので、是非ともご視聴ください。(更新:2021年7月21日)