ノイマイヤー×芭蕉×バッハ:バレエ『月に寄せる七つの俳句』

『月に寄せる七つの俳句』2009年上演時(斎藤友佳理、木村和夫)
Photo 
by Kiyonori Hasegawa

3年に一度開かれている「世界バレエフェスティバル」が、8月1日より東京文化会館ではじまりました。バレエ界のスターおよそ40名が、世界各国・地域から日本に集結。1998年、バレエ界の巨匠ジョン・ノイマイヤーが東京バレエ団のために創作したオリジナルプログラムも上演され、ノイマイヤー率いるハンブルク・バレエ団からも4人のダンサーが出演します。

能や歌舞伎、文学など、日本文化に造詣の深いノイマイヤーは、短い言葉で具体的なイメージ以上の世界観を紡ぎだす「俳句」に惹かれ、そこに身体表現との共通点を見いだします。俳句のなかで彼がもっとも心打たれたものが、月を詠んだ詩でした。

新たなプログラムの音楽を考えていたころ、松尾芭蕉(1644-1694)とヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)の名の響きBashoとBachがよく似ていることや、彼らが同じ時代に月を眺めていたことに思いを馳せ、<バレエ><言葉><音楽>を結びつけた作品『月に寄せる七つの俳句』を創りだしました。


2015年京都賞受賞時の稲盛財団インタビュー、『月に寄せる七つの俳句』についても言及しています。

John Neumeier / Photo by Kiran West

ノイマイヤーが、東西両洋の文化を融和させ、東京バレエ団に捧げた貴重なプログラムからも目が離せません。

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