The Nobel Foundation

第1回(1985)受賞

特別賞

京都賞創設記念特別賞

ノーベル財団

/  財団

1900 -

記念講演会

人類の健康を求めて—医療の国際協力

1985年

11 /11

会場:国立京都国際会館

業績ダイジェスト

京都賞創設記念特別賞

発足以来、ノーベル賞の運営にたずさわり、世界的に権威ある賞として育成してきた。ノーベル賞の顕彰を通じて20世紀における人類の文化・学術の発展に多大な貢献を行った。

基金提供者:アルフレッド・B・ノーベル

基金額:1億8510万クローネ(約50億円 1984年現在)

理事長:スネ・ベルイストレム博士

授与対象分野:物理学、化学、生理学・医学、文学、平和および経済学の6部門

賞金額:各180万クローネ(約4,900万円 1985年現在)

受賞決定機関

  • スウェーデン王立科学アカデミー(物理学賞、化学賞、経済学賞)
  • 王立カロリンスカ医学研究所(生理学・医学賞)
  • スウェーデンアカデミー(文学賞)
  • ノルウェー国会ノーベル委員会(平和賞)

贈賞理由

ノーベル賞は、スウェーデンの科学者アルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて、1901年にはじめられた国際的な顕彰の制度である。物理学、化学、医学・生理学、文学、平和の五つの賞ではじまったが、1969年から「アルフレッド・ノーベルを記念する経済学にたいするスウェーデン国立銀行賞」が新たに設けられ、実質六つの賞となった。各賞あわせて、すでにおよそ500名のノーベル賞受賞者が顕彰されている。

ノーベル賞は、現在、世界でもっとも権威ある国際賞である。およそ2,000を数えるさまざまな学術賞のすべてに君臨し、学術的顕彰の究極的な基準として、揺るぎない威信を誇っている。わずか85年の歴史でありながら、これほどの権威と威信とをかちえたのは、厳格な審査によるほとんど過ちのない受賞者選定の実績がものをいったといえよう。

1901年にはじまったノーベル賞は、まさに20世紀の知性の尊厳を象徴する存在である。戦争と革命に満ち、多くの人間疎外と不条理に満ちた今世紀において、ノーベル賞がここまでかけがえのない存在感をもつにいたったことは、時代の奇蹟であるとすらいえよう。たとえば、第一次世界大戦以前に早くも平和賞を設けていた見識はすばらしい。そして、20世紀における自然科学の発達を予見し、物理学、化学、医学・生理学の三分野を顕彰の対象としたことも、今世紀における人類の安寧と救済とにどれほど貢献することにつながったか、その意義ははかりしれないものがある。また、文学賞というジャンルを設定し、散文文学、詩、哲学などの諸分野における人間の知性の営みを顕彰したことも、20世紀の知性主義を支えるうえで、限りない意味をもったといえる。

ノーベル財団は、その発足以来、20世紀の普遍言語としてのノーベル賞の運営にたずさわり、ゆきとどいた心配りを重ねることによって、ひとつの奇蹟的な権威として、この賞を育成してきた。

ノーベル賞の事業主体であるノーベル財団は、ノーベル賞の果たしてきた世界史的な役割にかんがみて、日本を代表する国際賞が発足した初年度の特別顕彰の対象として、もっともふさわしい存在である。

プロフィール

略歴
1900年
設立
1901年
第1回授与

プロフィールは受賞時のものです