生誕100年ピエール・ブーレーズに捧ぐ:記念演奏会が京都で開催

写真:ピアノを演奏する永野氏

今年2025年は、ピエール・ブーレーズ (1925-2016) の生誕100年にあたります。これを記念したコンサートが、11月8日(土)に京都コンサートホールにて開催されました。稲盛財団は本公演に協賛しました。

「ブーレーズへのオマージュ」と題された今回のコンサートでは、ブーレーズが設立した世界最高峰の現代音楽アンサンブル「Ensemble intercontemporain(アンサンブル・アンテルコンタンポラン)」のソロ・ピアニストを務めている永野英樹氏をはじめ、気鋭の演奏家たちが出演。ブーレーズの初期作品を中心に、彼が影響を受けたラヴェルやシェーンベルクの作品も披露されました。

写真:コンサートで演奏する出演者たち

会場には国内外から多くの観客が訪れ、熱心に耳を傾けていました。最終曲の演奏後には拍手が鳴りやまず、会場は大きな盛り上がりに包まれました。アンコールで演奏された「即興曲―カルムス博士のための」では、普段はヴァイオリニストとして活動する上敷領藍子氏が、この日初めてヴィオラで演奏を披露し、最後まで目の離せない公演となりました。

また、コンサート翌日の11月9日(日)には京都市立芸術大学にて、永野氏による公開マスタークラスが開かれました。こちらのイベントでは、ブーレーズをはじめとする現代音楽の作曲家の作品を題材とした公開レッスンや、永野氏と酒井健治氏(京都市立芸術大学教授)による対談などが行われました。

今回の一連のイベントを通じて、ブーレーズの革新的な音楽は次世代の演奏家たちによって、未来へと受け継がれていることがうかがえました。

関連情報